
師走の人の波が絶えない今日この頃、三鷹駅南口の宝くじ売り場に、人々に幸せを与え続けた黒猫「クロ」の小さい祭壇が置いてある。
クロの恩返し
「クロ」は、母親に捨てられた野良猫だった。5年前、宝くじ売り場を運営する高山不動産部の事務所の裏で拾われた。それから、不動産部の社員が面倒を見るようになり、「クロ」は、宝くじ売り場の周辺を歩き回るようになった。
それからというもの、その売り場から、当たりくじが続出。最初に100万円単位が出てくるようになり、06年のサマージャンボは2等1億円、09年の年末ジャンボは何と1等3億円が当たった。
噂を聞いて、「クロ」に会いたいと宝売り場を訪れる人が多くなったこの10月、「クロ」は、食中毒であえなくこの世を去ってしまった。しかし、不思議な事に、その後も高額当選は続いているという。
今でも地方から訪れる客も引きも切らず、また、祭壇を拝んだり、猫缶を供えていく人も少なくない。
庶民に夢を与え続けた「クロ」の霊はまだ人々を見守っているのだろうか。けなげな「クロ」の物語である。
高山不動産部宝くじ