
インドネシアのバリ島というと日本ではのんびりした観光地というイメージが強いが、そんなイメージを覆す事件が起きている。刑務所の囚人が暴動を起こして、占拠しているのだ。
暴動は、観光客で賑わうクタ・ビーチから数キロ離れたケロボカン刑務所で起きている。ここは殺人などを犯した凶悪犯を多数収容しており、今までにも何度か暴動が起きているが、今回はここ5年で最大規模だという。
受刑者の間で借金トラブルが起き、2月19日一人が刺された。これがきっかけになって21日に暴動が発生した。受刑者たちは石を投げゴム弾を撃ち、所長室や武器庫に火を放った。余りにひどいので刑務官らは外に脱出した。
22日の早朝、警察の特殊部隊が所内に突入して鎮圧したものの、同夜受刑者らは再び暴動を起こし、刑務所の管理権を奪取した。国軍も出動して制圧を目指しているが、まだ解決していない。
外国人は避難させる
二人が死亡し、数十人が負傷したとの情報がある。電気は通っていないし調理場が壊されたので、受刑者は満足な食事が摂れないようだ。
定員は300人だが1015人収容していたので、受刑者の不満が高まっていたと考えられる。外国人も約60人服役しており、そのうち日本人は3人だ。オーストラリア人は12人だが、殆どが薬物密輸の罪で収容されている。
インドネシア政府は外国人と女性受刑者125人を他の刑務所に避難させることにした。暴動の主導者が、要求を通すために人質に立てる恐れがあるからだ。
暴動が早く収まることを望む。
インドネシア観光クリエイティブ・エコノミー省