
厳格なイスラム教で知られるサウジアラビアで、一人の女性が処刑された。罪状は魔術。唯一神アッラーを信奉するサウジでは、魔法や魔術はアッラーへの冒涜であり、重罪に当たる。
現代の魔女裁判
ロンドンを拠点とするサウジのアルハヤト紙は、その女性を捕まえた宗教警察関係者から聞いた話として、彼女が病気を治せると人々に思わせ、1セッションごとに779ドル受け取っていたと伝えた。彼女は、2009年に逮捕された後、サウジの法廷で裁かれた。名前は明らかにされていないが、60代だとのことである。
死刑自体は、サウジ国内で今年76名行われており、少なくとも3名が女性である。
ところで、彼女の件は、魔術を使ったとして処刑された初めての例ではない。毎年、何十人もの人々が魔法や魔術を行ったとして逮捕されており、2011年以前には、エジプト人の薬剤師が2007年に死刑宣告を受けた。
2008年5月に、テレビショーで超能力を披露していたレバノン人、Ali Sibat氏が彼の地に巡礼に赴き、サウジの宗教警察に捕まった時は大騒ぎになったものだ。彼も2009年11月に死刑宣告を受けたが、いまだに執行されていないという。2010年の9月に、アムネスティ・インターナショナルがアブドゥッラー国王にSibat氏の恩赦を求めた。
中世のヨーロッパでも魔女狩りが行われたが、現代でも行われているとは驚きだ。日本のマジシャンは決してサウジアラビアで芸を見せないことである。
サウジアラビアAli Sibat