
人はどうして勉強するのだろうか。また、どうしていい大学へ行きたがるのだろうか。いい生活や収入の多い仕事を見つけるだめだろうか。ここに一つの答がある。
ユーゴスラビアからの移民
Gac Firipaji氏、52歳。20年前に戦火のユーゴスラビアを逃れて米国にやってきた。当初英語がほとんど話せなかった彼だったが、ニューヨーク・ブロンクスに居を構え、英語を学びながら、コロンビア大学に用務員として勤めだした。
コロンビア大学と言えば、エール、ハーバードと並ぶアイビーリーグの名門大学である。Firipaji氏は、そこで、職員に提供される無料の講座を受け続けた。朝は講義に出席、午後から夜までは勤務と、寝る間も惜しんで、勉学と仕事に励んだのである。
そして、12年後の今年、彼は見事に学位を取得することとなった。この快挙に同級生はどれだけ喜んだだろうか。彼は、今や立派なコロンビア大学卒業生となったのだ。しかし、勤めを変えるつもりはない。他の仕事をいくらでも見つけられるだろうに、彼の夢は、これからまた、大学の講座を受け続け、修士課程、博士課程と進む事なのである。
なぜなら、彼にとっての勉強とは、出世するためのものではなく、純粋に学ぶためのものなのだから。
コロンビア大学