
男性ホルモンには、男性の命を縮める可能性がある。そんな衝撃的な調査結果が、韓国の研究者からもたらされた。
宦官は長生きする
高麗大学のイ・チョルス博士らの研究によれば、朝鮮王朝に仕えていた宦官(去勢された男性)は、普通の男性より19年も長く生きていたという。
宦官は門番や給仕など、朝鮮王朝で活躍した。ロイヤルファミリー以外では、宦官しか宮廷で夜を過ごすことはできなかった。そんな宦官たちは、実子を持つことができなかったので、同じ宦官や女の子を養子に迎えて家族を作っていた。
調査は1556年から1861年までに生まれた宦官81人に対して行われた。平均寿命は70歳で、なかには100歳代の者が3人もいて、最高年齢は109歳だった。一方、貴族階級の他の家系では、男性は45歳が平均寿命だった。
この結果から、男性ホルモン(テストステロン)が寿命を縮めているのではないかという推測が生まれた。研究者によると、男性ホルモンは免疫システムを弱めたり、心臓を傷める作用がある。去勢は、こうした作用から体を守り、寿命を延ばしたようなのだ。
つまり、テストステロンを減らす療法は、男性の寿命を延ばすのだが、残念ながら副作用がある。男性の性行動が弱まるのだ。
果たして男性は女性のように長生きした方がいいのか、それとも子孫をたくさん残した方がいいのか。何だか究極の選択のようである。
李氏朝鮮