
米国の研究者チームは、睡眠の根本的な理由の1つが「ゴミ出し」であると信じている。
睡眠の理由
捕食動物に捕まる危険があるのにどうして動物は眠るのかという長年の疑問に1つの回答が生まれた。脳への記憶の定着や学習といった大きな役割があるのは知られていたが、ロチェスター大学医学センターのチームは、睡眠が「掃除」の役目をしているのではないかと考えている。
脳の処理エネルギーは限られており、起きているか眠りに落ちているか掃除をしているかのどれかだと同大のメイケン・ネダーゲート博士は語る。それはホームパーティを開催しているのと同様で、お客のおもてなしと家の掃除は同時にできないのである。
同博士は昨年、老廃物を脳から排出するGlymphaticシステムというメカニズムを発見した。ネズミを観察した科学者によると、睡眠によってこのシステムが10倍も活発化するという。ネダーゲート博士は、このシステムは生きる上で大変重要な機能だが、覚醒している時はあまり作用しなかったと述べた。
どうやら睡眠は脳細胞の機能の回復や保護に役立っているようだ。その事から睡眠の「お掃除効果」がアルツハイマーやパーキンソン病といった疾病にも応用できるのではないかという期待もある。
いかに良質の睡眠を取れるかどうかが、健康な老後を目指す我々の課題かもしれない。
ロチェスター大学