
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)の報告書によると、この10年で中年の自殺率が28%も増えたという。
調査概要
35歳から64歳までの白人と先住民の間で、1999年から2010年にわたって、自殺が急増している。米国の自殺について言えば、2009年以来、自動車事故より死者数が多くなっているという。
2010年には、38,350人の自殺者が出たが、これは全米の死因の10位に当たる。データによれば、米国の自殺者のうち57%が35歳から64歳までの年齢だそうだ。この年齢のグループの自殺率は、1999年には10万人に14人だったのが、2010年には10万人に18人の割合になった。
しかも、先住民については、この10年間で、10万人に11人強の自殺率が10万人に19人と65%も増加しており、白人も16人から22人へと40%の増加を記録している。
また、人種に限らず、50歳から64歳までの年齢層で自殺が急増しているというから、まさに中年に危機があると言えるだろう。
原因については、CDCは調べていないが、青年や中高年向けの多くの自殺予防プログラムが調整中だという。
ベトナム戦争やイラク戦争の後遺症を原因に挙げる人もいるが、果たしてこれは米国だけの現象だろうか。超高齢化社会の日本でも、今後、そんなトレンドが見られるようになるかもしれないので注意が必要だ。
アメリカ疾病予防管理センター