英ミステリー作家のアガサ・クリスティと言えば、エルキュール・ポアロのシリーズが有名。ポアロは、アクロイド殺人事件、オリエント急行事件、ABC殺人事件などクリスティの多くの作品に登場する、ミステリー小説史上もっとも有名な名探偵の一人と言っても過言ではない。
いやいやポアロを登場させる
ところが、孫のマシュー・プリチャードさんによると、クリスティは、ポアロを登場させるのがいやで仕方がなかったそう。なぜなら、彼女には、いくらでもアイデアがあって、新しい登場人物で新しいストーリーを書きたかったのに、エージェントや出版社がポアロを求め続けたからだ。
というわけで、クリスティは、外圧によってやむなく、ポアロを登場させていたのである。ポアロでなかったら、いったいどんなキャラクターを使いたかったのだろうか。史上最高の20億冊以上を売り上げたクリスティに嫌われたポアロ。今ごろ、小説の中で、にんまり笑っているかもしれない。
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