用水路の環境は最適 大量発生は初
岡山市東区神崎町の
住宅地用水路に、大量のアメリカザリガニが出現した。2010年10月9日ごろに集まってきたというザリガニは、10日の朝には約500メートルの範囲で折り重なるように列をなし、赤黒い体がうごめく異様な光景に「
何万匹いるの」と気味悪がる住民もいた。一方で近所の子どもたちは黄色い声を上げてザリガニ捕りを満喫したようだ。
アメリカザリガニは1927年、ウシガエルの餌用に北アメリカから移入された外来種のザリガニである。もともとは20匹であったアメリカザリガニは、養殖場から逃げ出して大繁殖。現在では日本各地で「ザリガニ釣り」が楽しめるほどの生息数となっている。生息するのは水田や池など、水深が浅くて流れの緩やかなところだ。
今回大量発生した用水路は深さ5センチ程度でほとんど流れがない。ザリガニにとっては
最高の環境だといえる。一方で鮮魚店を営む奥山正人さんは「
ずっと住んでいて、こんなに多くのザリガニは記憶にない」と答えており、岡山野生生物調査会の吉鷹一郎事務局長は「
水路や田の水量調整など人為的なものと、猛暑など自然環境の変化の両方が考えられる」と考察した。
アメリカザリガニの繁殖期は夏。今年の夏は異常に暑かったこともあり、ザリガニの行動に異常が生まれたのかもしれない。ザリガニは身こそ少ないもののエビの近縁で、世界各地には食用とされるところもあるため、エチゼンクラゲやガンガゼの大量発生時のように食用とされる可能性もなくはない。
岡山市