
病気をまき散らす害獣と思われがちなネズミの中には、国際的に活躍している大変有用な種類がいる。
地雷探知
タンザニアのモロゴロでは、ベルギーのNPO「APOPO」がネズミの地雷探知訓練をしている。嗅覚が鋭く、軽いアフリカオニネズミは、犬よりも訓練しやすいという。9か月の訓練を終えると、ネズミたちは現場に出かけ、実地に地雷探知を行う。200平方メートルの地雷の無害化には、人間だと2人で1日かかるが、そこに2匹のネズミを投入するとたった2時間で終わる。すでにモザンビークでは、これらネズミが約200万平方メートルの地雷撤去の成果を挙げているというのだからすごい。
結核菌の検出
モロゴロでは、結核菌の検出でもアフリカオニネズミが活躍している。嗅覚を生かして、喀痰の検体から結核菌の検出を行うのだ。訓練を終えたネズミは、一匹で70本の標本を10分で判定できる。ネズミたちが参加した病院の結核菌検出成功率は40%もアップしたそうだ。
「APOPO」では、こうしたネズミたちを「ヒーローラット(英雄ネズミ)」と呼んでおり、今後は麻薬検知や、災害時の生存者捜索の分野にも進出させたいと思っている。
ハーネスをつけて訓練されているネズミを想像しただけでも可愛らしい。賢く、フレンドリーなヒーローラットは、これからもますます平和活動に貢献することだろう。
APOPOアフリカオニネズミ