
可愛らしい小人の「借りぐらしのアリエッティ」には心打たれた人も多かったと思われるが、こちらはまったく可愛くない人間の話だ。
床下で生活
北海道稚内市内の道営住宅の床下でその37歳の男は暮らしていた。彼のマイホームは、水道管に囲まれながらも、約60平方メートルとかなりの広さ。生活用品は無論の事、豪華食材や携帯コンロ、人気漫画もどこからか拝借。優雅な「借りぐらし」を楽しんでいた。
男は7月上旬に会社を辞め、だんだん生活に困るようになって、ホームレス状態に。万引きやゴミあさりで食いつないでいた。10月上旬、ゴミあさりに行った道営住宅の床下に安住の地を見つけたのだった。
現実の借りぐらし
残念ながら、男は、稚内市のアパートでゲーム機を盗んだ容疑で稚内署に逮捕され、優雅な「借りぐらし」は打ち止めになった。
稚内は極寒の土地。真冬には最低マイナス10度程度になる。床下では、とても冬を越せなかっただろうという見解もあり、このタイミングで捕まったのは男にとっては幸運だったかもしれない。
現実の「借りぐらし」は決して映画のようには美しくないのだ。
借りぐらしのアリエッティ稚内市