
東京大学博士課程1年生の韓国人留学生イ・ジュンさん(32歳)が、東京メトロ千代田線根津駅で、ホームから転落した年配の男性を救助した。
沈着冷静な行動
ホームから男性が転落するのを目撃したイ・ジュンさんは、沈着冷静に非常停止ボタンを押し、自ら転落男性を救うため線路に降りた。進入してきた列車も止め、他の日本人男性とともに、その転落男性を無事保護する事ができたという。しかし、自分の名前を明かさず去っていった。
ビラを見てびっくり
三日後、同じ根津駅に到着したイ・ジュンさんは、壁にビラがあるのを見つけた。それはどうも先日の転落事故に関連したものらしかったが、何しろ、来日してまだ3週間。何か悪い事でもしたのかと、日本語に自信がないイ・ジュンさんは、携帯でビラを撮影し、東大へ持っていった。
そのビラの写真を見た友人から、先日の転落男性を救助した男性を、東京メトロや本郷消防署が捜している事を教えられ、イ・ジュンさんは、その該当者であると語った。そこで、学内大騒ぎとなり、友人が関係各所に連絡を入れたという。
イ・ジュンさんは、「誰でもそこにいたら助けていただろう」と言う。2001年に新大久保駅で転落した人を助けようとして命を落とした韓国人留学生イ・スヒョンさんの事が思い出される。今回は誰も怪我がなくて本当に良かった。
イ・ジュンさんには、19日に東京メトロと東京消防庁から感謝状を贈られる予定だ。
東京メトロ根津駅