
蔵王の樹氷はかねてからスキー客には有名である。木々の樹氷を見ながらのスキーは、大変風情があった。
しかし、山形大学理学部地球環境学科の柳沢教授によれば、温暖化の影響で、2050年には樹氷が見られなくなる恐れがあるという。
樹氷の標高が徐々に上昇
山形気候講演会で、柳沢教授は、1910年代~現在の樹氷の標高や形成時期の推移を報告した。報告によると、樹氷の標高は、70年間で200メートル上昇したとのこと。ちなみに今の標高は1600メートルである。
樹氷は2月上旬が一番美しいと言われているが、71年前には、12月に1400メートルの標高で樹氷が見られた。今はもちろん見ることはできない。どうも、以前に比べ、冬の期間が短期化している傾向があるようだ。
柳沢教授の計算では、山頂の気温は70年間で約3度上がったとみなされる。温暖化がこのスピードだと、40年後には、樹氷ができる標高はもっと高くなって、地蔵山の上では樹氷の形成が不可能になるらしい。
樹氷を見ながらスキーをした経験は、将来、古き良き時代のものと回顧されるのだろうか。
山形大学理学部地球環境学科霧氷(樹氷)地蔵山