
日本学生支援機構では、奨学金の返済の滞納が年々増えている。その原因は、どうも雇用と収入にあるらしい事が判った。
返済の実態
同機構の調査によれば、奨学金を返済している約9500人と、6カ月以上滞納している約3500人の違いは以下の通りであった。返済している方は、正社員が70%、アルバイト・派遣社員が16%、無職が4%と、大半が正社員である。反対に、滞納している方は、アルバイト・派遣社員が37%、無職が19%と、不安定な雇用状況にある人々が多い。
また、滞納している人々の年収は、300万円未満が90%。しかもその約半数が100万円未満なのだ。
日本学生支援機構では、一定期間の返済の猶予や、来年の1月からは返済期間の延長を認め、この問題の解消に取り組んでいる。
厳しい雇用状況が取り巻き、学生の就職もままならない。その上、せっかく高い志を持って得た奨学金も返せないとは、まことに憂うべき事態である。
日本学生支援機構