
以前、墓石屋さんに、ペットのお墓は人間に近づき、人間のお墓はペットに近づいているという話を聞いた事がある。ペットのネット墓地に感心していたら、今度は人間の番だ。東京豊島区の功徳院がこのたび、人間用のネット墓地「サイバー飛天」を開設した。
ネット墓地の構成
システム会社がネット上にHPを作成し、申し込んだ人の希望の写真やメッセージを掲載する。合葬墓の画像は共通で、その他は、契約者の思いのままに編集できる。
契約者には、寺から「お参りカード」が送られる。そこには、パソコン、携帯双方に使えるIDとパスワード、携帯電話用の認識コードが記載。契約者がID、パスワードを教えれば、どこでも誰でもネット墓参が可能だ。
利用者の実態
50代以上の利用者が多いようだ。後継ぎがいないため、お墓の管理を気にする人や、自分用に好きにHPを作る人もいる。また、亡くなった人の兄弟が遠方にいてお参りに来られないので契約する場合もある。
海外のネット墓地事情
90年代以降、米国や東南アジアでネット墓地が人気となった。墓地不足や墓参に伴う交通渋滞解消のためだ。日本でも、墓参したい人の高齢化などが原因で、手軽に墓参できるネット墓地が今後流行するのではないかという見解もある。
ところで、費用は、全部で約50万円だそう。これを安いと捉えるか、高いと捉えるか、微妙な所だ。
年々、お墓に対しては、どんどん概念が変わってきている。ある宗教人は、実際にお墓を訪ねるのが重要と言っているが、ネット墓地はIT時代にふさわしいものなのだろうか。お花を生けたり、お線香をあげたりできないネット墓参は、ちょっと寂しい気もする。
サイバー飛天