
ドナルド・キーン氏、あまりにも有名な日本文化研究者。米コロンビア大学名誉教授でもあったが、26日、コロンビア大学で最後の講義を終え、半世紀の教員生活を終えた。そして、これから日本の国籍を取得するという。
*京都上賀茂神社
ドナルド・キーン氏の軌跡
キーン氏は、現在88歳。日本語を最初に学んだのは、戦時下の米海軍日本語学校。その後、まず勤めたのが、太平洋戦線での通訳官であった。日本兵の残した多くの日記を翻訳したのも氏である。
戦後、コロンビア大学に復学し、京都大学に留学した後、「日本という女性と結婚した」というほど、キーン氏は、日本文化の研究に没頭した。研究対象は、近松門左衛門、松尾芭蕉、三島由紀夫と、古典から現代文学まで幅広く、著書は、日本語でおよそ30点、英語で25点ほど出版されている。英語圏への日本文化の紹介者としての功績は計り知れない。
そんな氏が、3月11日の東日本大震災を機に、日本永住を決めた。多くの外国人が国外に退避するこの時、反対に氏は日本に来ようというのである。氏が愛してやまない「日本」。氏の暖かい愛を得て、かつてないこの災害から立ち直り、これからも氏の力を借り、誇らしい「日本文化」を世界に発信したいものである。
ドナルド・キーン