
ニューヨーク市教育局が、学校の標準テストのプロポーザルをテスト業者に募るのにあたり、50単語を禁止したそうだ。その単語の中には、「誕生日」「恐竜」「宗教」などといったものがあるという。
禁止語句
そもそも米国は多民族社会。宗教も人種も色々である。異なるバックグラウンドを持つ生徒たちに不快な言葉を出すことによって、良い成績を取れなくなっては困るとして、市教育局は、このような措置に踏み切った。
禁止された単語には、他に「離婚」「ハロウィン」「クリスマス」「テレビ」といったものもある。その多くの言葉は、大人の間で見解の相違が激しいものである。また、信条や宗教に関連しており、センシティブに扱わなければならない言葉が多い。
たとえば、「誕生日」は宗教団体「エホバの証人」では祝わない。「ハロウィン」はもともとケルト人が祝っていた収穫感謝祭で、自然崇拝が起源だ。多神教を思い起こさせ、キリスト教とは相容れない。また、「クリスマス」は、キリスト教徒は祝うが、イスラム教徒もユダヤ教徒も祝わない。「恐竜」に至っては、進化論を否定するキリスト教原理主義に引っかかる。
といった具合なのだが、これで自然なテスト問題が作れるのだろうか。何でもありの日本では、キリスト教徒でもないのに、「クリスマス」も「ハロウィン」も商業ベースで祝っており、「誕生日」商法も盛んだ。何でも自由という印象の強い米国だが、実は日本の方が自由なのかもしれない。
ニューヨーク市