
サウジアラビアから2人の女性選手が、今度のロンドンオリンピックに出場するという。これはオリンピック史上、画期的なことである。
サウジアラビアの女性
サウジアラビアは、もっとも戒律の厳しいイスラム教徒国と言われ、女性は男性の保護者(通常は父親か夫)がいなければ、一人で外出ができない。当然、国外には行けるはずもない。しかも、オリンピックなどは、異性の前に姿をさらすことになり、国の風習に反する。そこで、これまで、オリンピック選手は男性に限られていたのだ。
国際オリンピック委員会(IOC)は、サウジアラビアやカタール、ブルネイといった男性だけのチームに対し、女性蔑視ではないかとの懸念を抱いてきた。今回、サウジアラビアだけでなく、カタールやブルネイからも女性選手が参加することになっており、IOCはこの歴史的なニュースに喜びを隠せない。
サウジアラビアから参加するのは、柔道の選手と女子800メートル走の選手。カタールは4人の女性選手が参加するが、そのうちの一人は射撃の選手で、国旗の旗手にもなっている。
投票権もなく、車の運転も禁じられてきたサウジアラビアの女性たちだが、2015年にはそのどちらも変わるようだ。ロンドンオリンピックは、そんなサウジアラビアの女性たちの願いが実現する1つの場となるのである。日本だけでなく、そんな国々の思いも感じてオリンピック競技を見てみるのも良いかもしれない。
ロンドンオリンピックサウジアラビア