
恐竜の中には、きわめて敏捷かつ狡猾に餌を捕獲しているものがいることが調査から分かった。
猫のように狩り?
研究を行ったのは、カナダと中国の合同研究チームだ。シノカリオプテリクスという恐竜の化石を調べたところ、原始的な鳥類や、飛翔する恐竜を食べていることが分かった。胃のなかの鳥類がいたということは、彼らが行動的なハンティング技術を持っていた事を示す。
研究者によれば、餌を捕獲するために、この恐竜たちは、現代の猫のように待ち伏せする方法を取っていたというのだ。
恐竜たちがどう過ごしていたかを証明するのは極めて難しい。ほんの少しの物証と莫大な検証によって推測される。化石は有力な物証で、白亜紀、ジュラ紀の情報をもたらしてくれる。特に、化石の胃の中にある含有物は、恐竜たちの食生活を明らかにするというから興味深い。
シノカリオプテリクスは本来、地上に住む恐竜の仲間。その胃の中に、鳥類や飛ぶ恐竜が入っていたという事は、猫のように密かに機会をうかがい、鳥類等が飛び出そうとした所を捕獲していたに違いない。
化石から、有史以前の地球の姿が分かるのは、何とも楽しいものである。人類が出現するまでには、気の遠くなるような歴史があるのだ。人類があたかも地球を支配しているかのような現在、人類も地球の一員である事を思い起こすために、長い地球の歴史を噛みしめるべきではないだろうか。
シノカリオプテリクス