
男子は台所に入るなというのは遠い昔のお話だ。有名進学校では、本当に社会貢献できる人材には、勉強だけでなく、身近な生活の視点に立った教育が必要と考えている。
家庭科に重きを置いた学校
男子生徒に充実した家庭科教育を行おうと、各男子校が工夫を始めている。
たとえば、東京国立市の私立桐朋中高では、本格的な家庭科室を2年後に設ける予定だ。現状は、生物室で餃子を作ったりして至極不便。
また、京都の私立洛星中高では、多目的用と家庭科用の部屋があり、調理用具やミシンが備え付けられている。高校の料理研究部は、昨年、全国高校食育王選手権で優秀賞をゲットしたというから、実力は半端ではない。
国立筑波大学駒場中学は、家族や社会の複雑さを知ってほしいと、家庭科に力を入れる。授業のテーマは「仕事と生活の調和」や「家事労働」などである。
さらに、東京港区の麻布中高では、保護者の働きかけで、「生活科学」「生活総合」という名前のもと、家庭科の勉強に励んでいる。育児や介護、障害者の現場にも足を伸ばし、社会的見識を養っているようだ。
これからの男子は、「文武両道」ならぬ、「家庭・社会両道」を目指すのがトレンドとなるかもしれない。
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