
介護問題がこんな所にまで押し寄せているとは。こんな所というのは動物園。飼料が良くなり、飼育環境も自然に近くなって、飼育動物が長寿になっている。飼育員の方々は、人間さながらに、長寿動物を世話しているのだ。今後、動物園でも介護は、人間界同様、重要なテーマになるのだろうか。
ゾウにマッサージ
天王寺動物園(大阪市)ではゾウにマッサージを施している。雌のアジアゾウ「春子」(推定62歳、人間年齢約90歳)には、本来8本の歯が4本しかないため、餌をよく噛めず、便秘になりがちなのだ。担当職員は、3.5トンの巨漢相手に、汗だくになって便秘解消マッサージをしている。
ラクダにQ10を与える
野毛山動物園(横浜市)では、フタコブラクダに「コエンザイムQ10」を与えている。雌の「ツガル」推定35歳、人間年齢100歳以上)は、関節炎を患い、床ずれに悩んでいたが、コエンザイムのお陰で治ったという。
ホッキョクグマにビタミンA
旭山動物園(旭川市)で、ホッキョクグマに摂取させているのはビタミンA。また、天王寺動物園で与えているのは、牛レバーや、タラの肝油だ。どちらも肝臓病への予防策だという。
10年前は、これほど動物に気を使ったとは思えない。動物園がまるで人間世界の写し絵のように思えるのは気のせいだろうか。動物が長寿なのはめでたいが、介護が大変になっていくのではないかと心配になる。まさか、動物園が介護園になるのではないだろうな。
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