
オランダのワーゲニンゲン大学で開かれたセミナーと試食会では、バッファローワーム入りチョコレート菓子や、イナゴの春巻きなどが振舞われた。参加した学生たちは、意外にもこれらをあっという間に平らげたという。実は、これは、将来の食糧難を見越した昆虫食の実験なのだ。
昆虫食の利点
昆虫は、高タンパク、低脂肪で養殖の効率もいいと良い所づくめ。飼料10キロに対し、生産される牛肉は1キロだが、昆虫は6~8キロと6倍以上だ。生息数も多く、養殖による温室効果ガスも少なく、重い病気を招く変異病原体も媒介しない。畜産に比べ、かなり環境フレンドリーである。
克服すべきは見た目
しかし、いくら環境にいいと言っても、見た目のグロテスクさに、思わず気持ちが引いてしまう。加工して、見ても昆虫と判らなければ、もっと需要が増えるだろう。ワーニンゲン大学では、昆虫からタンパク質を取りだす研究が進められている。将来は、人造肉のように、色々な食材に使われるのを目指している。
国際食糧農業機関(FAO)によれば、2050年には世界の人口は90億人に達する見込みだそうだ。昆虫を食料にせざるを得ない時代が、ひしひしと近づいている。何年か後には、昆虫ピザも普通に食べられているかもしれない。
ワーゲニンゲン大学国際食糧農業機関(FAO)