
5月11日、それは、世界のとある場所では特別な日であった。ローマと台湾、世界の西と東で、巨大地震が発生されると予言されていた日だったのである。
*ローマの市街地
ローマ
ローマでは、1979年に亡くなった地震学者ラファエル・ベンダンディ氏が「2011年5月11日に巨大地震が起こる」と予言していた。ペンダンディ氏は、この日、惑星直列によって、地球の重力に変化が起こり、大地震が起こるとしていたのだ。
日本の東日本大震災の件もあり、ローマにはパニックが広がった。当日、ローマでは、店を閉める商店や街の外に逃げ出す市民が相次いだという。
台湾
一方、台湾では、自称預言者の王超弘氏が、5月11日午前10時42分37秒にマグニチュード14クラスの巨大地震が台湾を襲うと予言。自ら、信奉者とともにコンテナーのシェルターに避難した。
この予言は、台湾ではパニックというより好奇心の的となり、シェルターの周りには、大勢の野次馬と報道陣が集まった。11日午前10時42分37秒が近づくと、カウントダウンが始まったが、結局何も起こらなかった。
5月11日、どちらの予言も当たらなかったのは、本当に幸いである。しかし、これまでに正確に予言された大地震などないように思う。東日本大震災のケースでもわかるように、「天災は忘れた頃にやって来る」という、寺田寅彦博士の言葉が一番真理をついているのではないだろうか。妄言を信じずに、日頃から備えをするよう、世界の人々に伝えたい。
ローマ台湾