
インスパイアは、アルカイダ系組織「アラビア半島のアルカイダ」の指導者の1人、アンワル・アウラキ師と米国人サミル・カーン氏が発行しているインターネットマガジン。そこに書いてある「爆弾の製造方法」をクリックすると、なぜかカップケーキの作り方になってしまう。実は、英秘密情報部「MI6」の作戦なのだ。
「インスパイア」
「インスパイア」は昨年7月に創刊され、10月に第2号が発行された。アルカイダが、英語とインターネットをツールにして、グローバルにジハード戦士をリクルートしたい意図が見える。内容は、「爆弾の製造方法」の他、「スポーツ多目的車に鉄の刃を溶接する方法」など、なかなか物騒だ。
ここでテロリスト育成を防ぐために立ちあがったのがMI6。「インスパイア」の特集記事「ママの台所で爆弾を作るには」をダウンロードしようとすると、お菓子作りのサイト「米国で最高のカップケーキ」に誘導されるよう細工したのだ。
「米国で最高のカップケーキ」には、美味しそうなケーキのレシピがたくさん並んでいる。テロリスト予備軍も、大義名分を忘れてしばし見入ってしまうかもしれない。皮肉なことに、米国の方は、妨害作戦をしてしまうと、重要な情報源が無くなるとして、妨害を諦めたとのこと。サイトの協力だけに留まっているようだ。
英秘密情報部「MI6」